
経済産業省は2026年4月から、モバイルバッテリー・スマートフォン・加熱式たばこを対象に、事業者へ回収とリサイクルを義務づける方針を発表しました。
背景には、リチウムイオン電池によるごみ処理施設での火災事故が相次いでいることがあります。
これにより、私たちの生活に身近な電子機器の処分方法が大きく変わることになりそうです。
なぜ回収が義務化されるのか?
リチウムイオン電池は便利で多くの機器に使われていますが、廃棄時に他のゴミと混ざってしまうと発火事故を引き起こすリスクがあります。
実際、環境省の調査では、2023年度のごみ収集車・処理施設での火災は2万件超。
2025年7月には山手線の車内でモバイルバッテリーが発火し、ケガ人や運休を招いた事例もありました。
特にモバイルバッテリーやスマートフォン、加熱式たばこは電池が機器に組み込まれており、従来の回収ルートでは分解・処理が難しいことも課題でした。
こうした事故を防ぐため、国が事業者に対して回収とリサイクルを義務化する形です。
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回収の対象となる事業者
新制度では、製造・輸入・販売を行う一定規模以上の事業者です。
- モバイルバッテリー:年間 1,000台以上
- スマートフォン:年間 1万台以上
- 加熱式たばこ:年間 30万台以上
これらの事業者には、回収とリサイクル体制を整える義務が課せられます。
消費者に罰則はありませんが、事業者が取り組みを怠った場合は国からの指導・勧告を経て、最終的には50万円以下の罰金が科される可能性もあります。
回収方法はどうなる?
経産省は、小売店や公共施設に回収ボックスを設置する方式を想定しています。
すでに単体の「密閉型蓄電池」は回収対象ですが、今回の制度で電池を取り外せない機器も回収できるようになります。
さらに将来的には、ハンディファンやワイヤレスイヤホンなどの小型家電も対象拡大が検討されています。
補足
密閉型蓄電池とは、電解液が外に漏れないよう密閉された構造を持つ充電式電池のことです。ニッケル水素電池や一部のリチウムイオン電池が該当し、すでに回収・リサイクルの対象となっています。
消費者への影響は?
今回の制度は「事業者向け」の義務化ですが、消費者にも影響があります。
- メリット:処分先が明確になり、安心して廃棄できる
- デメリット:自治体のゴミに出すのではなく、回収ボックスへ持ち込む手間が増える
誤廃棄による火災リスクを減らし、持続可能なリサイクル社会を築くためには欠かせない仕組みといえるでしょう。
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まとめ
- 経産省は2026年4月から、モバイルバッテリー・スマホ・加熱式たばこの回収義務化を導入
- 対象は一定規模以上のメーカー・輸入販売事業者
- 消費者は回収ボックスなどを利用して処分する流れにシフト
この制度は 2026年4月にスタート予定です。
政令公布は2025年10月を予定しており、今後は回収方法の詳細にも注目です。
参考:経済産業省[PDF]|NHK
伊藤
編集部・ライター|最新テクノロジー/ビジネス/海外動向/ゴルフ
メディアに携わって5年のライター伊藤です。アメリカや中国やヨーロッパ出張で培ったグローバルな視点から、世界のトレンドを常に追いかけています。ゴルフや読書で知見を深める傍ら、Apple製品の動向やVR/ARといった最先端技術にもアンテナを張り、読者の皆さんの知的好奇心を刺激するコンテンツをお届けします。
公開日 : 2025/9/5
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